デアリングタクトにデゼルと無敗馬対決に期待が集まる今年のオークス。しかし、デアリングタクトは道悪の桜花賞を制した後の一戦。道悪での好走は疲れを残しやすく、桜花賞の2着馬レシステンシアのように、次走でパフォーマンス(指数)を下げる危険性もあります。
ましてデアリングタクトは、逃げてこそのスマイルカナがレースメイクし、前半4F46.5-後半4F49.6の超絶ハイペースを作ったことで、展開に恵まれたもの。前がバテたところを差したという競馬でした。デビュー2戦目のエルフィンSも、桜花賞ほどではないにせよ、時計の掛かる馬場のハイペースを差し切ったものであり、果たして前が容易に止まらない、超絶高速馬場の東京でも差し切れるのか?
また、この馬の新馬戦も超絶スローペースの末脚比べではあったものの、時計は要しており、超絶高速馬場の状況下では、どこまでの末脚が引き出せるのか未知数なのも事実。エルフィンSでも、桜花賞でも、トップスプードを持続させていることから、距離が長くなることは問題なさそうですが、断然の1番人気に相応しいかどうかは「?」です。
一方、デゼルはデビュー2戦目のスイートピーSでは、前半4F48.6-後半4F46.0の超絶スローペースを後方から、メンバー断トツの上がりで差し切ったもの。レース最速地点のラスト2F目でグンと伸びて、前に並びかけた辺りからもかなりの素質を感じさせますが、新馬戦、スイートピーSと出遅れているように、何せゲートが下手。前に行ける可能性は極めて低いものがあります。
もっともデゼルと同タイプで当時はゲートが下手だったブエナビスタは、オークスで始めてスタートを決めて、レッドディザイアをギリギリ差し切りました。しかし、その年は標準馬場で例年のオークスよりも緩みなく流れたもの。今年のように超絶高速馬場で前のポジションが求められているとなると…。また、ブエナビスタは2歳女王であり、桜花賞も優勝という豊富なキャリアと実績がありました。
ここまで綴って思ったのですが、同じ無敗馬でありながら、デアリングタクトは1番人気、デゼルは2番人気、アブレイズは11番人気という差は、いったい何? デアリングタクトもデゼルもアブレイズもキャリアが浅い馬だけに、さらなる成長力を見せる可能性も十分あるでしょう。競走馬はデビューから5戦目くらいまでは上昇力を見せることが多いものです。
しかし、明確に死角がある状況の中で、あなたは前記2頭を評価しますか? 私はあくまでも連下の1頭と考えます。では、何が有力かというと…本命にするなら、やっぱりハイレベルの桜花賞組でしょう。オークスではフローラSを始めとする、前哨戦の活躍が目立ちますが、それらが活躍する年は、決着指数が桜花賞と同等レベルだった年。今年は前哨戦のレベルがそこまで高くなかっただけに、桜花賞組が最有力と考えます。