●新潟大賞典
春の新潟開催を代表する新潟大賞典。このレースは、ここをステップに宝塚記念へ向かう馬もいれば、来月の鳴尾記念やエプソムC、その先のサマー2000シリーズを目指す馬も出走してくるため、中距離路線のG3としてはレベルが高くなることがほとんど。G1レースの上位馬や重賞上位常連馬、新興勢力と様々な路線から出走してきます。
また、このレースはステップレースらしく、休養明けの馬がやたらと出走してきますが、さすが好メンバーだけあって、格下の休養明けの馬はほとんど通用していません。休養明けでも通用しているのは、2016年の優勝馬パッションダンスのような重賞勝ちか、重賞で上位の実績がある馬ばかりです。
さらにこのレースが行われる新潟外回りの芝2000mは、芝2000mでは日本唯一のUターンコース。最初の3コーナーまでの距離は約948mと非常に長いために、前半3~4F目でもほとんどペースが緩みません。このやめ逃げ、先行馬は苦戦。さらに3~4コーナーで急坂を下りながらのスパイラルカーブとなっており、ここで勢いに乗せられる差し馬が非常に有利となっています。
実際に過去10年で逃げ馬の3着以内はゼロ、先行策で優勝したのも前記したパッションダンスだけです。他、9年の優勝馬は全て中団以降の馬ですから、差し馬上等レースなのはご理解頂けるでしょう。今回は逃げ馬がダイワキャグニー&内田騎手と、ブラックスピネル&丸田騎手。両者ともに積極的に逃げたがらない騎手で、ややタフな馬場を考慮し、コントロールして来る可能性が高いと見ていますが、そんなでも差しが決まっちゃったりするので、ここは差し馬主体で予想を組み立てたいです。
●NHKマイルC
NHKマイルCは1996年当時、クラシックに出走権のなかった外国産馬に門戸を開くことを目的とし、1996年にGIとして創設されたレース。しかし、現在は中距離だと距離が長いという馬にとっての3歳最強マイラー決定戦となっています。
このレースはトライアルのアーリントンCやニュージーランドT、クラシックの桜花賞、皐月賞など、様々な路線馬が出走してくるのが特徴。もっとも活躍が目立つのは、これまでに4勝を挙げているニュージーランドT組ですが、結局のところ、ハイレベルなレースを経由した馬が活躍しています。
今年、ハイレベルだったのは、前走比較で皐月賞>桜花賞>ファルコンS>アーリントンC>毎日杯>ニュージーランドT。今年は皐月賞の上位馬は不出走なだけに、桜花賞で2着のレシステンシアが一番人気に支持されるのは順当でしょう。ただし、レシステンシアは前走道悪で好走している点が落とし穴だったりも…。
例えば、先週の天皇賞(春)に出走していたキセキ。同馬はど不良の菊花賞を制したことで、その後、スランプになりました。桜花賞は当時の菊花賞ほど酷い馬場ではありませんでしたが、道悪で好走する(バテさせる)というのは、それくらい戦意喪失に繋がるものです。また、ファルコンCも、アーリントンCも、毎日杯も、ニュージ―ランドTも水準以上の時計を要しており、すべて超ハイペース。それだけに上位馬、特に展開に恵まれた上位馬は危ういでしょう。
危うい実力馬同士の決着となるので、前記した馬たちが全て馬群に沈むとも思えませんが、前走比でパフォーマンスを落とす可能性が高く、そこに前走で馬場&展開に恵まれなかった馬の付け入る隙があるということです。まあ、その類の馬はけっこううますけど…ぐふふっ。
また、今回は前記レースがことごとく、差し、追い込み馬有利のレースとなったことで、逃げ、先行馬がことごとく賞金不足で出走権を獲り逃し、手薄になったことがこのレースの最重要ポイントとなるでしょう。これ以上書くと、心に留めておいた必殺の穴馬がバレてしまうので、もう止めておきます(笑)。