大阪杯はG1に昇格して今年で4年目。かつてのこのレースは天皇賞(春)の前哨戦のひとつでしたが、G1になって賞金は約2倍。天皇賞(春)では距離が長いという馬には、当然、ここが本番になります。しかし、ここから始動する馬は、さすがにここが本番ではないでしょう。
2017年のキタサンブラックは、前年のG1で2勝、2着1回、3着1回と実績断然、能力が抜きん出ていたので始動戦でも優勝しましたが、それでもそれまでG1・未勝利、前年の天皇賞(秋)の3着が最高というステファノスに0.1秒差まで詰め寄られました。キタサンブラックとしては凡走のPP指数で1着。つまり、ここから始動するワグネリアンはここが本番ではないということです。
ただし、今年は1番人気のダノンキングリーを始め、始動戦の前走でPP指数の最高値をマークした馬、それに準ずる指数をマークした馬が多数。休養明け好走後で好走した反動が出て、前走比で指数を下げても不思議ない状況下です。今回でどの馬が上積みがあるのか(?)を読むのが焦点となってくるでしょう。
また、大阪杯が行われる阪神芝2000mは、スタートしてから最初の1コーナーまでの距離は約325mと短いため、内枠有利の傾向。特に大阪杯は先週までAコース→今週Bコースに替わるため、なおさら内枠が有利になります。
実際に大阪杯がG1に昇格された2017年も2番枠のキタサンブラックと4番枠のステファノスのワン、ツー決着でした。また、2018年も大外15番枠から向こう上面で一気に先頭に立ち、内々と通ったスワーヴリチャードが優勝。2~3着馬も内目の枠から内々を追走した馬でした。また、昨年も前年の有馬記念の覇者ブラストワンピースが外目の枠から3~4コーナーの外を回して1番人気を裏切り、3番枠のアルアインが優勝。2番枠のワグネリアンが最短距離を追走して、長期休養明けながら3着と好走しています。
さらに阪神芝2000mは、スタート直後に上り坂があるため、あまりペースが速くならないのがポイント。特に近2年は逃げ馬不在だったこともあり、超絶スローペース。逃げ馬不在で先行馬に武豊騎手、ルメール騎手など、目標となる騎手がいなかった一昨年は、5F通過が61秒1の異常なスローペースで3コーナーに当たる5F目から一気にペースが上がり、ラスト4F目から1ハロン11秒台前半のロングスパート戦になりました。スローペースになるほど、3コーナー地点で前と内がより有利の決着になります。
さて、今年はどうかと言うと、ジナンボーが逃げる展開ならスローペースが濃厚でしょう。しかし、今回はロードマイウェイが最内枠に入り、スタートが上手い武豊騎手に乗り替わったことで、ハナを主張する可能性もあります。いや、こちらの可能性が高いかもしれません。武豊騎手は競られることを嫌ってスローペースで逃げることを嫌う騎手だけに、ロードマイウェイが逃げるとするならば、平均ペースまで上がるでしょう。今回はどちらが逃げても対応できる形で予想を組み立てたいです。