●ファルコンステークス
中京競馬場が新装オープンし、ファルコンSが芝1400mで行われるようになって今年で8年目。過去8年の逃げ馬の着順はというと、2012年のエクセルシオール・17着、2013年のカシノランナウェイ・14着、2014年のネロ・8着、2015年のセカンドテーブル・9着、2016年のミスキララ・13着、2017年のレジーナフォルテ・15着、2018年モズスーパーフレア・5着、2019年スタークォーツ・9着とことごとく馬群に沈んでいます。(全て15~18頭立て)
過去8年の前半3F-後半3Fのレースラップは、2012年は34秒8-36秒8、2013年は34秒9-35秒5、2014年は33秒0秒-36秒3、2015年は34秒4-36秒9、2016年は33秒3-39秒7(極悪馬場)、2017年は34秒0-35秒3、2018年は34秒9-35秒5、2019年は34秒2-35秒0。中京はビックアーサーが優勝した2016年の高松宮記念当日以前は、かなり時計の掛かる馬場状態でしたが、それ以降も雨の影響を受けていることも多く、ハイペースの傾向。
つまり、ファルコンSは全体的な傾向として、逃げ、先行型が苦戦の傾向のレース。その一番の理由は、中京芝1400mという舞台が、スタートして約120mほど坂を上って、そこから4コーナー過ぎまで、一気に坂を下って行くコースだからでしょう。
また、この時期は3歳馬がレース経験を重ねたことで体力もついてくる時期。この先、スプリント路線に行くのか、マイル路線に行くのかも視野に入れて、逃げ、先行馬が行けるだけ、行かせるようなレースをさせるのも、このレースでハイペースが発生しやすい理由でしょう。
今回は先行馬が集った中で、ビアンフェ、デンタルバルーンの逃げ馬2頭が出走。おそらく二の脚が速く、前走ジャニアリーSで折り合いを欠きながら、5F57秒7で通過したデンタルバルーンが逃げ、朝日杯フューチュリティSを5F通57秒2のオーバーペースにしたビアンフェが競って行く形。当然、ハイペースが濃厚でしょう。
ビアンフェもデンタルバルーン底力がありますが、「道悪のハイペースで前から押し切れるか?」と聞かれたら、何とも言えない面があります。やはり中心にすべきは、差し馬でしょう
●中山牝馬ステークス
今開催は中山芝1800mで、中山記念、中山牝馬S、フラワーS、スプリングSと連続で重賞が行われます。前記4レースを総合的にペースが上がりやすい順にあげると、中山記念、中山牝馬S、スプリングS、フラワーCとなります。
古馬トップクラスが集う中山記念は、ほとんどの馬が2コーナーの急坂の下り(3.5~4F目)で減速させないため(序盤が極端なスローペースだと、この地点で勢いに乗せる場合もある)、道悪にでもならない限り、向こう上面で大きくペースが緩むことはほどんどありません。それゆえに最初の1コーナーまでの距離が約205mと短く、前半で急坂を上るコースながら、前が潰れることもしばしばあります。
しかし、まだ体力のない3歳牝馬同士の戦いとなるフラワーCは、騎手が2コーナーの急坂をゆっくり下ることを意識するので、向こう上面でペースが上がらず、しばしば前残りが発生します。これについては、来週のフラワーC時にお伝えしますが、その中間的なペースになるのが中山牝馬SとスプリングSです。
実際に中山牝馬Sの過去10年を見ても、逃げ馬不在で逃げ馬ではない馬が逃げた2013年、2016年、そして逃げ馬が貧弱だった2017年こそスロー~超スローペース。しかし、逃げ馬が出走し、逃げ馬がそれなりに強ければ(PP指数の赤い数字をマークしている馬)が出走していた場合には、全て平均~超ハイペースで決着しています。
今回は雨の影響で道悪が予想されますが、ここは差し、追い込み馬が揃っており、先行馬が手薄。逃げ馬もモルフェオルフェとコントラチェックの2頭です。それもモルフェオルフェの「逃げ宣言」に対して、コントラチェックは「2番手でもいい」と陣営がコメントしているだけに、道悪を加味しても平均ペースくらいで収まるのではないでしょうか。
2歳時のサフラン賞で逃げてコントラチェックを降したことがあるレッドアネモスが逃げたら、またひと味違うレースになりそうですが、津村騎手ですから、陣営から指示が出ていないと逃げないでしょう。前からの押し切りも視野に入れつつ、能力重視で予想を組み立てたいです。