4年前より暮れのターコイズSがG3に昇格した影響で、かつてほどメンバーが集わなくなった愛知杯。特に今年は重賞ウイナーが、アルテミスSと昨年の福島記念を制したデンコウアンジュだけ。しかも今年は京都の馬場改修工事に伴う開催日程の変更のため、中京から小倉に舞台を移して行われます。
愛知杯は中京の馬場改修工事の2010年、2011年にも小倉芝2000mで行われたことがありますが、ともに平均よりも速いペースになりました。小倉芝2000mは4コーナー奥のポケット地点からスタートして、最初の1コーナーまで約472mと十分な距離があるコース。メンバー次第で先行争いが激しくなります。テンが遅い馬でも1コーナーまでに先頭に立てるチャンスがあるため、結果、前半3Fが速くなりやすいということです。
また、前半3Fがそこまで速くなかったとしても、小倉は最後の直線が291mと短いため、上級条件ほど後続勢が3コーナーから動いて、全体的にペースが速くなることがほとんどです。
その上で昨年のエプソムC・2着時のように逃げたいサラキアが大外16番枠。サラキアはゲートに甘さがあるだけに、このメンバーだとハナを切れないでしょう。リリックドラマ、ランドネ、距離を怖がらなければウインシャトレーヌがハナ争いをしていく形。リリックドラマは、前走の福島記念でオーバーペースで逃げて失速しているだけに、ペースを上げない意識が働くでしょうが、最内先行馬のサヴォワールエメもある程度抵抗して行くことを考えると、前半からペースが上がる可能性大です。
本日の小倉は雨模様で、現在は稍重。ただ、開幕日なので標準よりも時計が出る馬場状態と見ています。それだけにハイペースになったとしても、さすがに先行馬総崩れのレースになるとは思えませんが、牝馬は決め手を生かす競馬をしている馬が多いので、多少でもペースが上がると末脚が不発する場合があります。
展開上は有利な差し馬でも、前半の追走に体力を使って末脚が不発する場合があるということです。したがって、ハイペースのレースで良績のある馬、好指数のある馬を主体に予想を組み立てたいです。また、ハンデ戦だけに、当然、斤量がより軽ければ理想ですが、重さは加速に影響を及ぼすもの。ハイペースの場合は1速→5速というようなギアチェンジがないので、スローペースほど斤量の影響がありません。このことも加味すると、より的中に近づけるでしょう。