2020年 フェアリーステークス – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2020.01.13
2020年 フェアリーステークス

フェアリーSは、関東圏では数少ない3歳牝馬の重賞。桜花賞と同距離でありながら、阪神ジュベナイルFが終わったばかりの一戦となるために、一昨年のように2勝馬が1頭も参戦していないという、実質1勝クラスのメンバー構成になることもあります。しかし、2017年のアエロリットのように、キャリア1戦馬が連対し、春のクラシック路線を賑わす場合もあります。

また、このレースが行われる中山芝1600mは、上級条件だと向こう上面から3コーナーにかけての下り坂(3~4F目)でペースが緩み切らないことが多く、差し、追い込み馬が台頭することもしばしば。しかし、下級条件やまだ体力のない明け3歳馬だけと、向こう上面の下り坂でペースが上がり切らずに逃げ、先行馬が残れることも少なくありません。

実際、このレースが中山芝1600mで行われるようになってからの2009年以降、2013年のクラウンロゼ(10番人気)、2015年のノットフォーマル(11番人気)、2016年ビービーバーレル(3番人気)とそれなりの人気馬から超人気薄まで3度も逃げ切りが決まっています。他にもこのレースで逃げた2009年グッデーコパ(10番人気)、2014年リラヴァティ(4番人気)が3着に食い込んだこともあります。

「中山芝1600mは逃げ馬が逃げ切るのが厳しい」という大きな傾向が、人気薄馬の逃げ切りを許してしまっているのです。逆にこのレースが差し馬有利の消耗戦になったのは、逃げ馬が大逃げを打った2010年、2011年、2017年の3年のみ。中山は最後の直線が約310mと短いこともあり、後方からズドンは容易に決まりません。

今回は最内枠に入ったスマイルカナの逃げが濃厚。しかし、同馬は「他馬が行ってペースが上がれば控えもOK」とコメントしているだけに、外からカインドリーが逃げる可能性もあります。その場合は、スマイルカナがある程度抵抗して行くでしょうから、ペースが上がる可能性が高いです。

さらにこのレースの過去11年では、これまでに芝1500m以上の距離が未経験だった馬の3着以内が昨年のホウオウカトリーヌ(2着)のみ。芝1600m戦だとスパートのタイミングがスプリント戦よりも早い地点になるので、スピ―ドだけでは押し切れず、持久力も必要になるからです。スローペースの2列目、3列目を上手く折り合えたとしても、仕掛けが早まることによって、ラスト1Fの失速に繋がりやすいということです。

スプリント路線組でもチャンスがあるとすれば、そこで結果を出しているタイプよりも、負けている馬でしょう。この場合の「負けている」とは、本来、中距離馬でありながら、不適距離を使われたことで負けているという意味です。この傾向も踏まえて予想を組み立てたいです。

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