東京スポーツ杯2歳Sと言えば、2歳戦屈指の出世レースとして名高いレース。過去10年でもワグネリアン、サトノクラウン、イスラボニータ、ディープブリランテ、サダムパテック、ローズキングダムが、このレースも勝って後のG1レースも制しました。
しかし、今年は……? 2014年度に2歳重賞が増設(乱立?)され、勢力が分散した影響もあるにせよ、出走馬が小粒。重賞ウイナー不在でオープンの勝ち馬もラインスペック1頭のみです。ここまでメンバー質が低いのは、2007年以来でしょう。
2007年もオープン勝ち馬がスズジュピター1頭のみで同馬は2着。優勝したのは9番人気の1戦1勝馬フサイチアソートで、同馬は平地で3勝目が挙げられないまま引退しました。今年もここでよほどの成長力が見せられないと、出世レースとはならない可能性もあるでしょう。
また、東京スポーツ杯2歳Sが行われる東京芝1800mは、1コーナーと2コーナーの間からスタートして、すぐに緩やかに2コーナーのカーブを曲がり、直線を向いてすぐに坂を上って行くコース。このため前半ペースが上がりづらいコース形態となっています。(ただし、2~3コーナーまでの距離が約750mもあるので、逃げたい馬が複数いた場合には、一昨年のように消耗戦になる場合もある)
基本的に4コーナーを過ぎたあたりからスパートする後半勝負になることが多く、スローペースの傾向。展開上は逃げ、先行馬が有利ですが、出世レースらしく、トップスピードが速い馬が勝ち負けしていることがほどんどです。ただし、今年に関しては、これまでのキャリアの中で抜群のトップスピードを見せた馬が不在なだけに、前に行ってしぶとさを生かす馬の一撃があっても不思議ないでしょう。
もちろん、そう思って予想しても実らないことも多いですが、3歳になると体力がついてきて、逃げ、先行馬が「もっと行かせてみようか?」になってくるので、2歳重賞だからこその前からの一撃がどこかで決まります。今年の2歳重賞はこのタイプがことごとく3着で連対圏内に突入できていませんが、案外とメンバー手薄のここで決まる可能性もありそうです。