2019年 函館2歳S・中京記念 – 競馬予想 – 山崎エリカ –

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2019.07.18
2019年 函館2歳S・中京記念

●函館2歳ステークス

中央競馬では2歳世代最初の重賞となる函館2歳S。このレースはキャリアの浅い若駒同士の争いため、予想ファクターが少ないように感じるかもしれません。しかし、逆に言えば、将来のオープン馬と生涯一勝馬が競うレース。このため能力上位馬同士で決着することがほとんど。

しかし、多少、能力の裏付けがない馬が穴を開けることもあります。どのようなタイプが穴を開けるのかというと、2011年のアイムユアーズ(5番人気)、2013年のプラチナティアラ(9番人気)、2014年のタケデンタイガー(11番人気)のような前走・未勝利組。つまり、キャリアが一戦でも豊富な馬です。プラチナティアラは前走の未勝利戦で5馬身差の圧勝と、普通に強い馬でではありましたが、新馬戦で6着に敗れていたことで嫌われたようです。

これはデビュー2戦目の馬よりも、デビュー3戦目の馬のほうが成長力を見せることが多いから。かつてこのレースの前哨戦として、オープンのラベンダー賞が用意されていた頃、ラベンダー賞組が大活躍していたのもキャリアが豊富な馬の優位性を示すものです。また、ラベンダー賞が行われていた頃は、門別勢がよく穴を開けていました。ダートばかり使われてきた馬が芝を経験させることで、活躍しやすかったのです。

しかし、ラベンダーSが廃止されてからは、門別勢はこのレースが初芝となるために苦戦。一度も馬券に絡んでいません。2015年のタイニーダンサー(12番人気)や昨年のエムティアン(9番人気)が4着入線したあたりから、門別勢がアドバルーンを打ち上げる日はそう遠くないでしょうが、芝適性が未知だけに重い印は打てないでしょう。

今年の函館2歳Sは、PP指数の能力の高い順に挙げると、レッドヴェイパー、ビアンフェ、パフェムリ。他、横並びでタイセイビジョン、プリンスリターン、マンバー。これらにキャリアの豊富な馬や、初芝の馬がどこまで食い込めるかというレースです。

今回1番人気のレッドヴェイパーは、前走の新馬戦がかなりのハイペースを先行策から押し切り勝ち。3着メイショウナパワンに5馬差をつけて完勝。けっこう無理をさせたぶん、そこまで大きな上昇度はなさそう。他馬にも付け入る隙はありそうです。

●中京記念

中京新装オープンとともに、夏のマイル重賞として生まれ変わって今年で8年目の中京記念。中京芝1600mは、1~2角の中間にあるポケット地点からのスタートして、約198mで本線に合流する札幌芝1500mとよく似たコース形態。このため昨年のように、外枠に逃げ馬(ウインガニオン)がいた場合には、最初のコーナーでハナを取るために序盤からペースが上がることがほとんど。

一方、内枠に逃げ馬がいる場合は、最初のコーナーで楽にハナが取れるので、そこまでペースが上がりません。1番枠のカオスモスが逃げた2016年はスローペースでした。これは向こう正面の距離は長いとはいえ、2コーナーから向こう上面にかけて坂を上り、後半で坂を下るコース形態も影響しています。

このレースはマイル戦になった初期の頃、馬場悪化が激しく、後方一気のフラガラハが2連覇を決めたことがありました。この過去のイメージや外枠の逃げ馬のオーバーペースによって、時々、浮上する追い込み馬のせいで、先行馬不利のイメージが強く、そこまで人気になりません。

これまでこのレースで連対した先行馬は、2013年・ミッキードリーム(2着)、2015年・スマートオリオン(1着)、2016年・ピークトラム(2着)、2017年・ウインガニオン(1着)、2018年・ロジクライ(2着)。どれも5番人気以下です。

昨年のロジクライは実力の2着でしたが、逆に2016年のピークトラムは生涯で唯一の重賞で連対。馬場状態や内枠の馬が逃げるのか、外枠の馬が逃げるのかによって、先行馬の活躍がアップダウンすることを覚えておいて損はありません。さて、今年の中京記念で逃げる馬は、何だ?

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