ニュージーランドT
ニュージーランドTは、先週のダービー卿チャレンジTと同じ中山芝外1600mが舞台。中山芝外1600mは高低差5.3mの最高地点からスタートして、3~4コーナーに向かって約4.5mの坂を下るコース。円状コースの上に最初の2コーナーまでの距離が約240mと非常に短く、ここで外を回らされると、終始外々を回ることになりかねません。つまり、内枠が有利なコースということ。
また、スタートしてすぐに2コーナーがあるので、2コーナーまでにしっかりとハナを取り切れるような快速馬が不出走だと、序盤のペースは落ち着きます。ただし、序盤でペースが上がらない場合、後続の実力馬が中山の最後の短い直線を意識して、向こう上面の下り坂で勢いに乗せて位置を押し上げてくるので、上級条件になるほど逃げ馬が楽に逃げ切るような展開にはなりません。
このレースも急に馬場が高速化した一昨年こそ、最内枠を利して逃げたワイドファラオが優勝しているものの、今年の中山は安定して標準馬場なので、一昨年のようなことも起きづらいでしょう。
今回の逃げ馬候補が矢作厩舎の2頭とゲート次第のワーズワース。矢作厩舎のゲンパチミーティアはしまいを伸ばす調教をしているだけに、行くのは同厩のバスラットレオンか? しかし、同馬も逃げにこだわるタイプでもないので、外からワーズワースやゲンパチミーティアがハナを主張すれば控えてと、流動的な展開になりそう。あまり決めつけるのも危険ですが、内枠の強い馬が優位となる平均ペース前後で収まると見て、予想を組み立てるのがベストでしょう。
阪神牝馬S
阪神牝馬Sはかつて芝1400mで行われていましたが、2016年度よりヴィクトリアマイルと同距離の芝1600mで行われるようになりました。これによりメンバーレベルがアップ。2017年の優勝馬ミッキークインや2019年の優勝馬ミッキーチャームのように、中距離路線組が多く参戦し、それらが活躍することが多くなりました。
しかし、ほとんどの中距離路線馬は、マイル戦では楽に逃げ、先行するスピードがないので、芝1400m時代から一転してレースがスローペース化。重馬場で行われた2017年こそ前が崩れているものの、2016年、2018年、2019年ともに3コーナー2番手以内の馬が連対しています。昨年は一昨年秋の京成杯オータムHを逃げて楽勝したトロワゼトワルが逃げたために、ペースが平均まで上がりましたが、何が何でも逃げたい馬がいない限りは、スローペースになると見ていいでしょう。
今年は中距離路線から転戦馬は、マジックキャッスルとデゼルとリアアメリアの4歳馬の3頭。リアアメリアは最内2番手でレースを運んだローズSで2着と好走しているように、前に行ってこその馬ですが、さすがにここはイベリスがハナへ行くでしょう。内のメイショウグロッケがその2列目を狙って、ブランノワール、ドナウデルタも包まれないようにある程度出していく形。大外のエーポスが積極的に位置をとってくるかもしれませんが、逃げたい馬がイベリスだけなので、今年もペースが落ち着きそうです。前目が優勢と見て、予想を組み立てたいです。