今開催は中山芝1800mで、中山記念、中山牝馬S、フラワーS、スプリングSと連続で重賞が行われます。前記4レースを総合的にペースが上がりやすい順にあげると、中山記念、中山牝馬S、スプリングS、フラワーCとなります。
古馬トップクラスが集う中山記念は、大半の馬が2コーナーの急坂の下り(3FF目)で減速させないため(序盤が極端なスローペースだと、この地点で勢いに乗せる場合もある)、道悪にでもならない限り、向こう上面で大きくペースが緩むことはほどんどありません。それゆえに最初の1コーナーまでの距離が約205mと短く、前半で急坂を上るコースながら、前が潰れることもしばしばあります。
しかし、まだ体力のない3歳牝馬同士の戦いとなるフラワーCは、騎手が2コーナーの急坂をゆっくり下ることを意識するので、向こう上面でペースが上がらず、しばしば前残りが発生します。これについては、来週のフラワーC時にお伝えしますが、その中間的なペースになるのが中山牝馬SとスプリングSです。
実際に中山牝馬Sの過去10年を見ても、逃げ馬不在で逃げ馬ではない馬が逃げた2013年、2016年、そして逃げ馬が貧弱だった2017年こそスロー~超スローペース。しかし、逃げ馬が出走し、逃げ馬がそれなりに強ければ(PP指数の赤い数字)が出走していた場合には、全て平均~超ハイペースで決着しています。
今回の中山芝コースは、断続的に降り続く雨の影響で道悪。昨年のフラワーCを2番手から制したアブレイズも前を狙ってくる可能性もありますが、逃げるのはゲートも坂スタートも上手いロザムールでほぼ決まりでしょう。先行型は何頭かいてもロザムールに競りに行くような馬はアブレイズくらいしかいないので、道悪を考慮しても平均ペースくらいでまとまりそうです。つまり、実力どおりに決まる可能性が高いということです。
ただし、馬場が悪化すると、昨年の府中牝馬Sで始動戦だったラヴズオンリーユー、ダノンファンタジー、フェアリーポルカなどの1~3番人気の実績馬がまとめて大敗したように、よほどの持久力モンスターでなければ苦戦するもの。休養明けの馬はスタミナ不足なだけに、狙い下げたほうがいいでしょう。
一方、レースを順調に使われ、前走でタフな馬場、タフなレースを経験している馬は、個体差もありますが、スタミナ万全の状態で出走できるだけに優位性があります。そこを踏まえて予想を組み立てるといいでしょう。