●チャレンジC
この時期の阪神ではかつて鳴尾記念(別定戦)が行われていましたが、8年前にハンデ戦芝1800mのチャレンジCに変更。さらに3年前から年から別定の芝2000mへ変更。目まぐるしく施行条件が変わるこのレースは、一体、何にチャレンジするのだろうか? 有馬記念の前哨戦としても、例年、メンバーが手薄です。
ただし、阪神芝1800mから阪神芝2000mに変ったことで、前からでも押し切りやすくなったのは確か。阪神芝1800mは最初の3コーナーまでの距離が約665mとストレートが長く、隊列形成が長引くため、何が何でもハナへ行きたい馬は、3コーナー(4F目あたり)まで息を入れられません。目下5連勝で挑んだあのエイシンヒカリに初めて土が付いたのも阪神芝1800m時のチャレンジCです。
しかし、阪神芝2000mは、スタート直後に坂を上って約365mで最初の1コーナーを迎えます。芝1800mよりも最初のコーナーまでの距離が約半分。つまり、早い時点で隊列が形成され、ペースが落ちつきやすいということ。
実際に過去3年ともスローペースで、2017年はサトノクロニカル、2018年はエアウインザーが先行策から押し切り、昨年はトリオンフが逃げて2着に粘っています。今年は過去3年とは違い、連続開催の阪神1日目で行われますが、逃げ、先行馬が手薄なだけにこれまでの傾向を踏襲しそうです。
●ステイヤーズS
ステイヤーズSは、ご存知のように日本の最長距離戦。天皇賞(春)などのG1では、やや能力が足りない長距離馬にとって、最終目標となるのがGⅡのこのレースです。重要なのは、芝3000m級の距離実績。過去10年の優勝馬10頭中8頭が、芝3000m以上で3着以内の実績がありました。該当馬は2011年のマイネルキッツ、2012年のトウカイトリック、2013年-2014年のデスペラード、2016-2017年のアルバート、2018年のリッジマン。2着馬6頭、3着馬は4頭が前記項目に該当しています。
しかし、距離3000mを超えるレースは、国内ならばステイヤーズS以外に、万葉S、ダイヤモンドS、阪神大賞典、天皇賞(春)、菊花賞と、そう多くはありません。これまで長距離を使われていなかっただけで、実はステイヤーという馬が潜んでいることでしょう。当然、芝3000m以上を何度も経験して馬券圏内に加われない馬よりも、未経験馬のほうがチャンスがあります。
よくある穴パターンは、2010年の優勝馬コスモヘレノス(5番人気)、2011年の2着馬イグアス(6番人気)のように、デビューから距離を延ばしてパフォーマンスを上昇させたタイプ。2009年に13番人気で2着に入線し、波乱の立役者となったゴールデンメインも、近走、中距離戦を使われて凡退続きで人気の盲点になっただけ。もともとは距離を延ばして指数を上昇させた馬でした。
ただし、前記の馬ほどわかりやすいタイプもそう多くないのも確か。長距離戦はトップスピードの速さよりも、早めのスパートから押し切れる持久力が求められるだけに、そういうタイプを積極的に狙いたいです。中山芝3600mなら2週目の向こう正面(ラスト5F目あたり)から動いても、最後までバテない馬が理想的です。