●ファンタジーステークス
ファンタジーSは、阪神ジュベナイルFの前哨戦。2012年に同前哨戦のアルテミスSが創設されて以来、出走馬が分散し、小頭数で行われることがほとんど。しかし、ここ2年は ダノンファンタジー、レシステンシアと、阪神ジュベナイルFの勝ち馬を輩出しています。今年は京都芝1400mから阪神芝1400mに舞台を変えて行われますが、これにより逃げ、先行馬が苦戦するでしょう。
京都外回りの芝1400mは、スタートして約200m地点から3コーナーの急坂を上って行くコース。このため短距離戦ながら前半ペースが上がらず、後傾ラップが発生しやすいコース形態でした。しかし、阪神芝1400mは、2コーナー奥のポケット地点からスタートして、前半は平坦~下り坂となるために、前半ペースが速くなる傾向があります。
本日は阪神開幕週でクッション値10.1のやや高速馬場にせよ、小倉2歳Sで逃げたフリードや、函館芝1200mの新馬戦で逃げてレ―コ―ドタイムを記録したモンファボリが出走しているので、前半3F34秒前後の激流になっても不思議ありません。展開上有利なのは差し馬ですが、芝1400m戦ですから強い馬や前走で厳しい流れを経験している馬なら通用するでしょう。
●京王杯2歳ステークス
京王杯2歳Sは、朝日杯フーチュリティSの前哨戦。2歳戦で唯一の短距離GⅡともあって、スプリント路線の強い馬がここを目標に出走してくることも多々あります。しかし、けっして本番に全く繋がらないこともなく、2010年にはこのレースの1着馬グランプリボスと2着馬リアルインパクトが本番でワン、ツーを決めたこともありました。
ただし、本番に繋がるのは、デイリー杯2歳S勝ちなど、もともとマイル戦で実績がある馬ばかり。マイル戦での実績がないと、一昨年の優勝馬ファンタジストや昨年の優勝馬タイセイビジョンのように、本番では2~4着くらいで終わることがほとんどです。
また、京王杯2歳Sが行われる東京芝1400mの舞台は、スタートして約60mから緩やかに坂を上りながら、約350m地点で3コーナーを迎えるため、前半ペースが上がりにくいのがポイント。そのうえ京王杯2歳Sは、芝1200mで逃げて好走した馬たちが、ここで脚をタメて将来的にもっと長い距離もこなす工夫をしてくることがとても多く、過去10年では前半3Fが後半3Fよりも速くなったことがありません。つまり、平均よりも遅いペースで決着しているということです。
今回は先行馬多数出走しているものの、何が何でも逃げたい馬は不在。何が逃げてどういう隊列になるかなど、展開読みはとても難しいのですが、過去の傾向から平均よりも遅いペースが濃厚と見ました。今年も逃げ、先行馬が有利と見て、予想を組み立てたいです。