2016年10月06日

石川ワタルさんのお別れ会

イガン退職した石川さん
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先週末は、8月20日に逝去された石川ワタルさんのお別れ会でした。石川さんとは10年以上前に東邦出版の忘年会で知り合って、私がもともと海外競馬好きだったこともあって意気投合? 石川さんに海外競馬のことをたくさん教えてもらいました。また、新宿ゴールデン街の遊び方も教わりました。さらに石川さんからダジャレや下ネタは、インターナショナルランゲージであることも学びました。

また、私が海外のレープロコレクターということもあり、石川さんが海外競馬に出かける度に、お土産と一緒にレーシングプログラムをを頂いたりもしました。一時期は馬券をお願いして、当たれば現金でもらっていたこともありました。でも、数年前に再婚されて、しばらく会っておらず、友人をとおして石川さんが胃がんになったことを知りました。そして本人に直接電話で確認したら、次のような答えが返ってきました。


「ボクもとうとう胃がんで、イガン退職です」


あっ、ええええ!? 聞けばステージ4という生命の危機なのにそこダジャレなの(?)って感じです(笑)。


だけど、いつも「ボクは死ぬのが怖くない」と言っていた石川さんが、自分を貫く姿勢は素晴らしいとも思いました。私も死ぬのが怖くないと思っているけど(痛いのはすごく苦手ですが)、いざ死に直面したとき、そこまで言える余裕があるかどうかはわかりません。情けなく弱音を吐くかもしれません。いや、たぶん土壇場で「助けてぇー」って喚くなぁ〜(笑)。


かつて米国のサンタアニタ競馬場で石川さんとお会いして、現地に知人がいなかったので、石川さんにロサンゼルスでショッピングするのにつき合ってもらったことがありました。しかし、石川さんも私も方向音痴のくせに、気が向くままのお買い物。当然、道に迷います。しかし、お互いに旅のハプニングやトラブルを楽しむ性格上、浮浪者にお金をせがまれても能天気。「なんとなくホテルの方向に歩いていればそのうち着くだろう」とタクシーを利用せずに1〜2時間歩き続けました。すると途中で暗闇が襲ってくるし、拳銃で撃たれそうな気配がする通りはあるしで、私がしびれを切らして、石川さんに得意の英語で近くを歩いていたお兄さんに道を聞いてもらうようにお願いしました。


そのお兄さんの車で、私にとって人生2度目のヒッチハイク―――。


しかし、石川さんはこれまで何度もそういう経験があったようでとてもヒッチハイクが慣れていました。そのとき「さすが石川ワタルは世界をワタルだわ」と感心した反面、私はこういう人とは結婚したくないとも〜いました。たまたまお兄さんがいい人だからホテルまで送ってくれたけど、変なところに連れて行かれて、身ぐるみ剥がされたらどーすんのさぁ。命がいくつあっても足りねぇ〜(笑)。だけど、今となっては全てがいい思い出です。


また、このお別れ会に行ってから石川さんの「イギリスの一流馬は凱旋門賞に本気で挑まない」という言葉がずっと頭から離れず、凱旋門賞でポストポンドが馬群に沈むような気がしてなりませんでした。石川さんは、イギリス競馬500年、フランス競馬200年という歴史の違いから、イギリスのほうが奥深さがあってお好きなようでした。それで「イギリス人は、お金よりもイギリス人としての誇り」というのを度々口にしていました。

確かにイギリス人は、自国の愛チャンピオンSを勝つことが名誉なこと。だから、毎年、愛チャンピオンSに、豪華メンバーがズラリと揃うわけです。フランスよりもイギリスのほうがレベルが高い年は、総じて凱旋門賞よりも愛チャンピオンSのほうがレベルが高くなります。イギリスやアイルランドの一流馬は愛チャンピオンSのおつりで凱旋門賞を使うから、度々ぶっとんで、凱旋門賞が波乱になるわけです。愛チャンピオンSと凱旋門賞を連覇した馬は、シーザスターズやゴールデンホーンなど無敗クラスの馬や、連続連対級の馬ばかり。

では、なぜポストポンドは、一番名誉あるレースを使わなかったのでしょうか? 愛チャンピオンSを勝てば種牡馬価値も上がります。しかし、英インターナショナルSのポストポンドは、これまでのポストポンドの勝ち方かすればそこまで強くもなかったこと、愛チャンピオンSをスキップしたことなどから、基調の低下の推測が成立するわけです。つまり、ポストポンドを管理するヴェリアン調教師の弱気な発言は本音。自国で負けるのを嫌った可能性もあるでしょう。

少なくとも凱旋門賞を予想するにあたり、冷静な判断をするきっかけを与えてくれたのは石川さんです。石川さんの言葉がなければ、日本発売第一弾の凱旋門賞の万馬券は当てられなかったかもしれません。よく考えると、他の人にお願いした馬券はあまり当たらないのに、石川さんにお願いして買ってもらった馬券はよく当たっていたなぁ…。周りに幸せを運ぶ人でした。


黙祷、献杯。
今までありがとうございました。


wataru-ishikawa.jpg
posted by 山崎エリカ at 17:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 競馬を語る
この記事へのコメント
ご冥福をお祈りいたします。
Posted by トム at 2016年10月07日 04:52
トムさん、おひさ〜です!

実家が名古屋の石川さんは、トーチュウで連載してましたもんね。
馴染みがありますよね。
Posted by 山崎 at 2016年10月13日 09:21
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