2018年09月08日

今週の見所(セントウルSなど)

2018年 京成杯AH、セントウルS
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●京成杯オータムH

京成杯オータムHは、エアレーションやシャッタリングの本格導入により、かつてほど顕著ではありませんが、内枠の馬が断然有利。中山で行われた過去10年では、枠番7&8の連対率が5.0%に対して、枠番1&2の連対率は24.2%もあります。

枠番7&8の該当馬は、優勝馬は2008年のキストゥヘブン、2着馬はアスコットフィス。枠番1&2の優勝馬は、2007年のキングストレイル、2009年のザレマ、2012年のレオアクティブ。2着馬は2007年のカンファ―ベスト、2008年のレッツゴーキリシマ、2012年のスマイルジャック、2016年のカフェブリリアント、2017年のガリバルティ。

2枠3番のレオアクティブと、1枠1番のスマイルジャック、おまけに1枠3番のコスモセンサーが4着に粘った2012年は、1分30秒7の中山芝1600mのレコードが記録された年。決着タイムが速いほど、内枠有利が顕著。これは中山芝1600mが、円状コースだからでしょう。緩やかなカーブが続くようなコースなので、最初のコーナーで内に入れられないと、終始外々を回らされてしまうことになります。

ただ、中山芝1600mは、高低差約5.3mの最高地点から下って行くコース形態。開幕週でも前半からペースが上がることが多く、逃げ、先行馬はラスト約1Fの急坂で失速しやすい傾向。逃げ馬の優勝は2006年のステキシンスケクンまで遡らなければないし、過去10年で逃げ馬の3着以内は一度もありません。また、先行馬の連対も過去10年で4頭のみです。

しかし、追い込み馬も苦戦の傾向。これは脚質的に4コーナーで外に張られてしまうことが多くなるためでしょう。過去10年では、2015年に唯一、フラアンジェリコ(13番人気)が追い込み勝ちを決めていますが、この年はエアレーションがけっこう利いていて、レースの上がりが掛かっていました。また、4コーナーでは中目を回って、直線序盤で外に進路を切り替えたことが嵌ったことも大きいです。

ただし、起伏が激しいタフなコースの上にペースが上がりやすいレースだからこそ、フラアンジェリコのような前走芝1800m以上に出走していた馬が、高配当の立役者となっているのも確か。これまでにも2008年にレッツゴーキリシマが10番人気で、2009年にアップドラフトが14番人気で、2010年にキョウエイストームが7番人気で、2011年にアプリコットフィズが7番人気で2着と好走しています。もちろん、前走芝1800m以上に出走していた馬は、人気馬でも活躍しています。

まとめると京成杯オータムHは、馬場が高速化するほど内枠が有利。脚質は中団〜差し。内ぴったりの中団から、位置を上げていくタイプの馬は実力以上の走りが見せられることが多いでしょう。また、人気馬、人気薄ともに前走芝1800m以上のレースに出走していた馬の活躍が目立つ傾向があるので、本命に穴馬に一考の価値はあるでしょう。


●セントウルS

中団から差しが有利な京成杯オータムHに対して、セントウルSは内枠の逃げ、先行馬が有利。開幕週で高速馬場の上に、最初の3コーナーまでの距離が約243mと短く、しかもコーナーが鋭角気味のため、この地点でハナへ行き切れなかった馬が折り合う形でペースが落ちつくことが多いです。

ただし、前に行ける脚のない内枠の馬は、包まれてしまうことも多く、また、一昨年のビッグアーサーのように、本来は逃げ馬ではない馬が積極的に出して失速することも少なくありません。ビッグアーサーは実力があるからそういう競馬でも通用しましたが、2013年のマジンプロスパーは逃げて大失速しています。

また、セントウルSは芝1200mでは唯一のG2ということもあり、休養明けの実績馬がしばしば参戦します。当然、それらは本番を見据えての叩き台として出走してくるわけですが、超高速馬場の上に芝1200mだと距離が短く、ほとんどスタミナが求められないために、走ってしまうことこの上ありません。

これまでもスリープレスナイト(2009年)やラッキーナイン(2011年)、ロードカナロア(2012-2013年)、ハクサンムーン(2014年)、ビックアーサー(2016年)などのG1馬が休養明けで連対しました。しかし、始動戦を叩き台に使えなかった馬のその次走はむごいことが多いもの。ラッキーナインやハクサンムーン、ビックアーサーは本番スプリンターズSで凡退、大敗。スリープレスナイトに至っては、その後、屈腱炎を発症して引退しました。

また、過去10年でロードカナロアだけがこのレースから始動して、スプリンターズSを連覇していますが、逆に言うと、ロードカナロアがG1レース以外の重賞で勝てなかったのは、内で包まれた2012年の函館スプリントCと2012-2013年のこのレースのみ。どれも2着です。前記したように、このレースは内枠と逃げ、先行馬が有利ですが、ロードカナロアは前に行ける脚がない上に、外目の枠を引いたことが幸いしたのでしょう。本番に繋がったという意味で。

さて、今年の高松宮記念の覇者ファインニードルは、どうか? これまでの流れだと、セントウルSは休養明けのG1馬は「買い」という流れですが、実は、2009年のローレルゲレイロは、始動戦のこのレースではしっかりとぶっ飛び、春秋のスプリントG1を連覇しています。また、鞍上の川田騎手は、叩き台と本番をきっちりと使いわかてくる男。この答えは……、ここでは教えない! (笑)
posted by 山崎エリカ at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 今週の見所